自用地の評価方法⑥(地積規模の大きな宅地)

2018/07/11 財産評価基本通達
自用地の評価方法⑥(地積規模の大きな宅地)

Ⅸ地積規模の大きな宅地(価格G)

(1)要件
・面積:三大都市圏 500㎡以上 それ以外の地域 1000㎡以上(500㎡未満は除く)
・地区区分:普通商業・併用住宅地区および普通住宅地区(中小工場地区等は除く)

(2)適用除外
・市街化調整区域に所在する宅地(ただし開発行為が可能な区域を除く)
・工業専用地域(用途地域)に所在する宅地
・容積率400%以上(東京23区に関しては300%)の地域に所在する宅地

(3)評価方法
路線価×通達15~20(奥行価格補正等)×規模格差補正率※×地積

※規模格差補正率

(4)適用時期
平成30年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用する(旧来の広大地制度は平成29年12月31日まで)。

(5)広大地との違い
・マンション適地→評価減
・潰れ地の生じない土地→評価減
・ロードサイド店舗→評価減
・500㎡未満の土地→除外
・中小工場地区→除外

(6)地積規模の大きな宅地判定フローチャート

(7)計算例

 

注記:
執筆時点の税制等に基づきます。
また、本記事の内容は不動産鑑定士萩原岳による研修「路線価評価の基本」のテキストを抜粋して掲載しております。本研修は口頭及びホワイトボード等を用いた追記情報が多数ございます。                                     出張講師のご依頼は「お問い合わせ」をご活用ください。

 

 

※解答


イ 750㎡×0.95+25 × 0.8 =0.78
750 ㎡

ロ 300,000円×0.95×750㎡×0.78=166,725,000円

ハ 1500㎡×0.90+100 × 0.8 =0.77
15000 ㎡

ニ (100,000円×0.89×0.77)-600円=67,930円

ホ 67,930円×1500㎡=101,895,000円

 

自用地の評価方法①(想定整形地)

自用地の評価方法②(奥行価格補正)

自用地の評価方法③(側方等路線加算)

自用地の評価方法④(間口狭小な宅地)

自用地の評価方法⑤(不整形地補正)

自用地の評価方法⑦((参考)広大地の評価方法)

自用地の評価方法⑧(無道路地)

自用地の評価方法⑨(がけ地等を有する宅地)

自用地の評価方法⑩(容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地)

 

執筆者

萩原岳 プロフィール

東京外国語大学中国語学科卒業
株式会社アプレ不動産鑑定 代表取締役
http://apre-kanntei.com/
不動産鑑定士 MRICS(英国不動産鑑定士)

 在学中より不動産鑑定業界に携わり、2007年不動産鑑定士論文試験合格、2010年不動産鑑定士として登録する。数社の不動産鑑定士事務所勤務を経て、2014年株式会社アプレ不動産鑑定を設立し、現職。

 相続税申告時の不動産評価など税務鑑定を専門とし、適正な評価額の実現を掲げ、相続人と共に「戦う不動産鑑定士」として活動する。また、実務で培った経験をもとに、「相続と不動産」について税理士、弁護士、不動産事業者など相続の実務家を相手とした講演活動も行っている。

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