公道と私道

2020/03/09 その他
公道と私道

不動産を調査する中でよく出てくる「公道」ですが、法律上で明確な定義はありません。そのため、色々な場面で違った意味で使われているので注意が必要です。
広い意味では公共の用に供する道路をすべて「公道」と言いますが、一般的には道路法上の道路を「公道」と言うことが多いです。道路法上の道路とは、国道、都道府県道、市町村道、などの道路です。

公道と私道の違い

「公道」は国や地方公共団体によって管理されている道路を言います。

一方、「私道」は個人や企業等が自らの所有地を道路として築造・保持・管理しています。

道路の所有者が公共機関だから公道と思われがちですが、公道か私道の判断は所有主体ではなく、管理主体で判断されます。ですので、所有者が私人であっても管理主体が国や地方公共団体などの公共機関であれば「公道」となります。

 

公道と建築基準法上の道路

公道がすべて建築基準法上の道路とは限りません。建築基準法上の第42条1項1号で規定している道路は、幅員4m以上の「道路法」における道路だけです。要するに一般の国道・都道府県道・市町村道です。
指定区域を除く幅員4m未満の道については、市道等の認定がなされている「公道」であっても、特定行政庁が指定したものでなければ建築基準法上の道路とはみなされません。

 

道路法上の道路以外の公道

道路法上の道路以外で、公共の用に供する道路という意味での「公道」は以下のような例があります。

・農道
・林道
・河川管理用道路
・自動車道
・法定外公共物(里道や水路など)

 

 

 

執筆者

萩原岳 プロフィール

東京外国語大学中国語学科卒業
株式会社アプレ不動産鑑定 代表取締役
http://apre-kanntei.com/
不動産鑑定士 MRICS(英国不動産鑑定士)

 在学中より不動産鑑定業界に携わり、2007年不動産鑑定士論文試験合格、2010年不動産鑑定士として登録する。数社の不動産鑑定士事務所勤務を経て、2014年株式会社アプレ不動産鑑定を設立し、現職。

 相続税申告時の不動産評価など税務鑑定を専門とし、適正な評価額の実現を掲げ、相続人と共に「戦う不動産鑑定士」として活動する。また、実務で培った経験をもとに、「相続と不動産」について税理士、弁護士、不動産事業者など相続の実務家を相手とした講演活動も行っている。

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