木造住宅と鉄骨住宅

2020/03/18 その他
木造住宅と鉄骨住宅

住宅建築を考える際に重要な、構造について。
住宅構造の主流は木造と鉄骨造(軽量鉄骨造)です。
木造と鉄骨造のそれぞれの特徴について比べてみました。

気密性と断熱性

木造住宅は隙間が多く鉄骨住宅に比べて気密性や断熱性が劣ると思われがちですが、一般的には木造住宅の方が高気密・高断熱と言われています。
鉄は熱しやすく冷めやすいという性質を持ち、木よりも熱伝導率が高いので外気の影響を受けやすいのです。

 

耐震性

建築基準法における現行の耐震基準では構造種別に関係なく、「震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊するおそれのない建築物とすること」を定めています。
ですので、建築基準法に沿ってきちんと施工された建物であれば鉄骨造と木造の違いだけでは耐震性にさほど違いはありません。構造に関係なく、設計の工夫によって高い耐震性を得ることが可能です。
また、建物の破損や倒壊には地盤の強度が大きく影響します。

 

耐火性

もちろん鉄と木では燃えやすいのは木です。
しかし、住宅建材のような木材であれば熱伝導がゆっくりなため、すぐに火に覆われるようなことにはなりません。木造住宅の柱などが完全に燃えるまでにかなりの時間がかかります。
長時間燃え続ければ鉄骨も変形してしまう欠点がありますが、鉄骨を耐火被覆で覆うことで、火災時でも部材の強度を一定時間保つことができます。

 

まとめ

現在の住宅建築業界は技術力を上げてそれぞれの素材のデメリットを補っているため、構造によって住宅性能に大きな差はないと言えます。

 

 

執筆者

萩原岳 プロフィール

東京外国語大学中国語学科卒業
株式会社アプレ不動産鑑定 代表取締役
http://apre-kanntei.com/
不動産鑑定士 MRICS(英国不動産鑑定士)

 在学中より不動産鑑定業界に携わり、2007年不動産鑑定士論文試験合格、2010年不動産鑑定士として登録する。数社の不動産鑑定士事務所勤務を経て、2014年株式会社アプレ不動産鑑定を設立し、現職。

 相続税申告時の不動産評価など税務鑑定を専門とし、適正な評価額の実現を掲げ、相続人と共に「戦う不動産鑑定士」として活動する。また、実務で培った経験をもとに、「相続と不動産」について税理士、弁護士、不動産事業者など相続の実務家を相手とした講演活動も行っている。

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