モンゴルの不動産事情

2025/09/16 その他
モンゴルの不動産事情

モンゴルについて

モンゴルの面積は日本の約4倍、人口約350.5万人のうち、約半数が首都ウランバートルに住んでいます。(2023年 モンゴル国家統計局)
遊牧民が暮らす草原やゴビ砂漠のイメージが強いモンゴルですが、首都ウランバートルは高層ビルが建ち並ぶ大都市です。

平均年齢は一般的に20代後半から30歳未満とされており、出生率が高く若年層の人口が多い国で、さらなる経済発展が期待されています。

在留邦人数は365人(外務省海外在留邦人数調査統計:2023年10月現在)、
日本でのモンゴル国籍の外国人登録者数は19,490人(法務省在留外国人統計:2023年12月現在)です。

日本からモンゴルへは直行便が運航しており、約5時間30分で到着します。

 

ゲル地区

高層ビルやマンションの建設が進む首都ウランバートルですが、
郊外には移動式住居「ゲル」や木造の簡易的な住宅が密集する「ゲル地区」と呼ばれる地区があります。

ゲル内の暖房や調理に使われる石炭の影響で大気汚染や水質汚濁が問題となっており、
政府はゲル地区からアパートへの住み替えを促進させるとともに、ゲル地区に居住を希望する住民に対するインフラ整備を実施しています。

 

モンゴル不動産の所有権

モンゴルの土地は国有地を除き、モンゴル国民にのみ所有が許されています。
外国人や外国法人に与えられる権利は土地利用権のみです。

ウランバートル中心部などの都市部はほぼ国有地となっており、
モンゴル国民も限定的な所有となっています。

なお、建物については外国人や外国法人も所有できます。
モンゴルでは建物と土地は別個独立した不動産として扱われるため、
外国人が所有する建物も登記が可能です。

【不動産の取得及び登記の手続き(所要日数)】
■不動産登記事務所から非担保証明書を取得(1日~3日)
■購入契約の公証(1日)
■銀行で所得税もしくは譲渡税を支払う(1日以内/オンライン手続き)
■不動産登記代理人に申請書を提出(1日)
■土地使用権の譲渡(7日)

 

モンゴル不動産の今後

人口増加やゲル地区からアパートへの住み替えにより、
賃貸不動産の需要増加や地価の上昇が予想されます。

また、経済成長に伴い消費者市場が拡大しており、
飲食店やホテルなどの日本企業が相次いでモンゴル市場に参入しています。
モンゴルへの不動産投資も注目度が高まっていくものと思われます。

 

 

【参考】
国土交通省「海外建設・不動産市場データベース」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/kokusai/kensetsu_database/mongolia/page5.html

外務省「モンゴル国基礎データ」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mongolia/data.html

 

 

執筆者

萩原岳 プロフィール

東京外国語大学中国語学科卒業
株式会社アプレ不動産鑑定 代表取締役
http://apre-kanntei.com/
不動産鑑定士 MRICS(英国不動産鑑定士)

 在学中より不動産鑑定業界に携わり、2007年不動産鑑定士論文試験合格、2010年不動産鑑定士として登録する。数社の不動産鑑定士事務所勤務を経て、2014年株式会社アプレ不動産鑑定を設立し、現職。

 相続税申告時の不動産評価など税務鑑定を専門とし、適正な評価額の実現を掲げ、相続人と共に「戦う不動産鑑定士」として活動する。また、実務で培った経験をもとに、「相続と不動産」について税理士、弁護士、不動産事業者など相続の実務家を相手とした講演活動も行っている。

関連記事

この執筆者の記事