不動産の権利関係「所有権」と「借地権」②

2020/04/30 その他
不動産の権利関係「所有権」と「借地権」②

不動産の権利関係「所有権」と「借地権」①

土地の所有権に続き、土地の借地権について確認していきましょう。

借地権の特徴

一般的に借地権付きの土地であれば所有権に比べて数割程度安い価格で購入ができます。
また、借地権の場合は土地を借りている状態なので、購入時の不動産取得税や、土地を所有することで発生する固定資産税や都市計画税などの支払いは不要となります。

借地権は主に、「旧法借地権」「普通借地権」「定期借地権」の3種類に分けられます。

旧法借地権とは、借地借家法が施行された平成4年8月1日以前からある旧借地法が適用される借地権で、建物の種類によって契約期間が定められていますが、更新回数の制限はなく、半永久的に住み続けることが可能です。

普通借地権は、平成4年8月1日に制定された借地借家法が適用された借地権で、旧法借地権と同様に土地の賃貸借契約の更新が可能です。
借地権の最初の存続期間は30年以上で、1回目の更新では20年以上、2回目以降の更新は10年以上です。

定期借地権も平成4年8月1日に制定された借地借家法が適用された借地権で、更に以下の3種類に分けられます。

定期借地権の種類

一般定期借地権
一般定期借地権とは50年以上の存続期間を持つ借地権で、期間が満了すれば更地で土地を返還する必要があります。
契約の更新や建物の買い取りを求めることはできませんが、新たに一般定期借地権を結びなおすことは可能です。
一般定期借地権には建物の使用目的の制限がないため、居住用以外に事業用などにも使用することができます。

 

事業用定期借地権
事業用定期借地権は事業の用に供する建物の所有を目的とする借地権です。
建物の使用目的が事業用に限定されるため、居住用の建物を所有する目的では使用できません。
存続期間は10年以上50年未満ですが、存続期間が「10年以上30年未満」の場合と「30年以上50年未満」の場合で内容が異なります。

存続期間が10年以上30年未満の場合、一般定期借地権と同様に契約の更新や建物買い取り請求権がなく、契約の終了時には更地で土地を返還する必要があります。
一方、存続期間が30年以上50年未満の場合は10年以上30年未満の場合と異なり、契約の更新と建物買い取り請求権が存在します。更新や建物買取請求権を無くす特約を付けることも可能です。

 

建物譲渡特約付借地権
建物譲渡特約付借地権とは、存続期間を30年以上に設定し、期間が満了した際に借地人の建物を地主が買い取るという特約がついた借地権です。建物の使用目的による制限はありません。
期間が満了した時点で当然に借地権が消滅し、建物の所有権が貸主へ移転します。
貸主が建物を買い取ることにより借地契約は終了しますが、これまでの借地人が引き続き建物の使用を請求した場合、その後も借家として住み続けることができます。
この場合、賃借人から請求のあった時点で、建物について期間の定めのない賃貸借契約が成立したものとみなされます。

 

まとめ

借地権と所有権、どちらの権利もメリットや必要となる費用に大きな差があります。
土地を購入する際は土地の権利までよく確認しましょう。

 

 

執筆者

萩原岳 プロフィール

東京外国語大学中国語学科卒業
株式会社アプレ不動産鑑定 代表取締役
http://apre-kanntei.com/
不動産鑑定士 MRICS(英国不動産鑑定士)

 在学中より不動産鑑定業界に携わり、2007年不動産鑑定士論文試験合格、2010年不動産鑑定士として登録する。数社の不動産鑑定士事務所勤務を経て、2014年株式会社アプレ不動産鑑定を設立し、現職。

 相続税申告時の不動産評価など税務鑑定を専門とし、適正な評価額の実現を掲げ、相続人と共に「戦う不動産鑑定士」として活動する。また、実務で培った経験をもとに、「相続と不動産」について税理士、弁護士、不動産事業者など相続の実務家を相手とした講演活動も行っている。

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