用途地域① 住居系用途地域

2020/04/03 不動産調査
用途地域① 住居系用途地域

用途地域とは

用途地域とは、都市計画法に基づいて、建築できる建物の用途等を定めた地域のことです。

用途市域が指定されていない区域もありますが、都市計画区域内では用途市域が定められ、土地の利用制限を設けています。

もし自宅の隣に工場や大規模な商業施設が建ったりしたら、日当たりや騒音などで生活環境が変わってしまうでしょう。
そこで、良好な住環境を守るために都市計画法で規制しているのです。

用途地域は13種類ありますが、大きくは「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分けられます。

今回は「住居系」の8つの地域を紹介します。

第1種低層住居地域

低層住宅のための地域で、一戸建てだけでなく低層マンションも建てられます。高さ規制があり、最大でも12m以下になるように制限がかけられています。小規模なお店や小中学校、診療所などが建てられます。

第2種低層住居地域

主に低層住宅のための地域で、第1種低層住居専用地域の用途に加えて床面積150㎡までのコンビニや飲食店が建てられます。

第1種中高層住居地域

中高層住宅のための地域で、主に中高層マンションが建ち並ぶ地域になります。住宅、病院、大学、500㎡以下の店舗などが建てられます。

第2種中高層住居地域

主に中高層住宅のための地域で、第一種中高層住居専用地域の用途に加えて1500㎡以下の店舗や施設が建てられます。

第1種住居地域

住環境を守るための地域で、第一種・第二種中高層住居専用地域の用途に加えて3000㎡までの店舗や事務所、ホテルなども建てられます。

第2種住居地域

主に住環境を守るための地域で、第一種住居地域の用途に加えてパチンコ屋やカラオケボックスなども建てられます。

準住居地域

国道や幹線道路沿いの業務の利便に加えて住居との調和を図る地域で、第一種住居地域の用途に加えて自動車修理工場や客席部分200m2未満の劇場・映画館なども建てられます。

田園住居地域

農業と低層住宅の環境を守るための地域で、低層住居専用地域に建築可能な建築物や、農産物の直売所・農家レストランも建てられます。

 

 

用途地域② 商業系・工業系用途地域

 

執筆者

萩原岳 プロフィール

東京外国語大学中国語学科卒業
株式会社アプレ不動産鑑定 代表取締役
http://apre-kanntei.com/
不動産鑑定士 MRICS(英国不動産鑑定士)

 在学中より不動産鑑定業界に携わり、2007年不動産鑑定士論文試験合格、2010年不動産鑑定士として登録する。数社の不動産鑑定士事務所勤務を経て、2014年株式会社アプレ不動産鑑定を設立し、現職。

 相続税申告時の不動産評価など税務鑑定を専門とし、適正な評価額の実現を掲げ、相続人と共に「戦う不動産鑑定士」として活動する。また、実務で培った経験をもとに、「相続と不動産」について税理士、弁護士、不動産事業者など相続の実務家を相手とした講演活動も行っている。

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