法務局調査①

2018/03/27 不動産調査
法務局調査①

1-1.入手する資料

①公図または地図(以下公図等)
②登記事項証明書(登記簿謄本)
③地積測量図・土地所在図
④建物図面・各階平面図
⑤(必要に応じて)隣接地や道路部分の登記事項要約書等
⑥(必要に応じて)閉鎖謄本・閉鎖公図・旧土地台帳等

1-2.公図または地図

法務局には土地の位置・形状・地番・隣接地との境界を記した図面が2種類あります。公図は不動産登記法第14条でいう「地図に準ずる図面」のことを指します。元々は明治の地租改正事業によって作成された図面を基にしているため、ものによっては距離、角度、面積などの面において正確性が低いといわれています。一方の地図は地籍調査(国土調査)の結果等に基づいて作成されるもので、一定以上の精度を保っていて信頼できる図面といえます。

精度の高い地図と低い公図が混在しているのは、特に大都市圏において地籍調査が進んでいない(平成20年4月1日段階で進捗率は50%を下回る)ため、地図が完備されるまでの間公図が代替的な図面として法務局に備付けられているためです。
法務局ではまず公図等を入手してください。そのためには地番が必要ですが、地番が分からない場合には、法務局備え付けのブルーマップ(住居表示と地番が併記された住宅地図)か、地番検索システムで探します。

公図を入手しましたら、事前に把握していた形状・地積等と照らし合わせてください。場合によっては隣接地や私道部分の資料も請求する必要があります。また、敷地内や接する道路との間に細長い筆がある場合は注意してください。地番が振ってある場合は登記事項証明書等を入手して所有者を確認してください。地番が振られていない場合は赤道や青地(水路敷や暗渠)の可能性が考えられます。役所調査や現地調査の際に確認してください。

 

法務局調査②

法務局調査③

 

執筆者

萩原岳 プロフィール

東京外国語大学中国語学科卒業
株式会社アプレ不動産鑑定 代表取締役
http://apre-kanntei.com/
不動産鑑定士 MRICS(英国不動産鑑定士)

 在学中より不動産鑑定業界に携わり、2007年不動産鑑定士論文試験合格、2010年不動産鑑定士として登録する。数社の不動産鑑定士事務所勤務を経て、2014年株式会社アプレ不動産鑑定を設立し、現職。

 相続税申告時の不動産評価など税務鑑定を専門とし、適正な評価額の実現を掲げ、相続人と共に「戦う不動産鑑定士」として活動する。また、実務で培った経験をもとに、「相続と不動産」について税理士、弁護士、不動産事業者など相続の実務家を相手とした講演活動も行っている。

関連記事

この執筆者の記事