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行き止まり私道評価事件(東京地判平成26年10月15日)Ⅱ.判旨④
5.本件私道について評価通達に定められた評価方式によっては適正な時価を適切に算定することのできない特段の事情があるか
本件において、原告は、本件私道の時価は、原告が依頼した不動産鑑定評価書に記載された評価額150万円を超えることはなく、本件私道について、評価通達に定められた評価方式によっては適正な時価を適切に算定することのできない特段の事情がある旨を主張します。しかしながら、原告依頼の不動産鑑定評価書による本件私道の評価を根拠に、本件私道について、評価通達に定められた評価方式によっては適正な時価を適切に算定することのできない特段の事情を認めることはできず、また、上記主張以外に、本件私道について、評価通達に定められた評価方式によっては適正な時価を適切に算定することのできない特段の事情を認めるに足りる証拠はありません。
6.本件私道の価額について
以上のとおり、本件私道の価額を本件通達を含む評価通達に定められた評価方式によって評価したものとすることは、相続税法22条の規定の許容するところであり、本件私道は、本件通達の定めに基づいて評価されるべきものといえます。
7.コメント
本件は、不動産評価の観点からみれば原告側の主張に合理性があり、裁判所の判断は適切とはいえません。不動産評価以外の論点について、判断に影響を及ぼしたものと推測されます。