マンション敷地事件(東京地裁平成25年12月13日判決)Ⅰ.事案の概要

2018/08/27 判例・裁決事例
マンション敷地事件(東京地裁平成25年12月13日判決)Ⅰ.事案の概要

原告は平成19年7月21日、原告の父との間で不動産(昭和33年築の5棟が連なる4階建共同住宅5号棟の1室、以下全体を本件マンションとし、贈与の対象となった区分所有部分を本件不動産とする)の贈与契約を締結し、平成20年3月11日に贈与税の申告書を所轄税務署に提出しました。その際、課税価額は、A不動産鑑定士事務所による不動産鑑定評価書記載の評価額2300万円(以下本件鑑定評価書、及び本件鑑定評価額)としました。

これに対し原処分庁は、本件不動産の価額は財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56・直審(資)17国税庁通達。ただし、平成20年3月14日付課評2-5ほかによる改正前のもの。以下評価通達)に定められた評価方式により評価したものとすべきであるとして、平成21年6月30日に贈与税の更正処分(以下本件処分)を行いました。

本件処分に対する異議申し立て及び原処分庁の決定、審査請求と国税不服審判所長の裁決を経て、原告Xは本件処分の取り消し訴訟を提起しました。

 

執筆者

萩原岳 プロフィール

東京外国語大学中国語学科卒業
株式会社アプレ不動産鑑定 代表取締役
http://apre-kanntei.com/
不動産鑑定士 MRICS(英国不動産鑑定士)

 在学中より不動産鑑定業界に携わり、2007年不動産鑑定士論文試験合格、2010年不動産鑑定士として登録する。数社の不動産鑑定士事務所勤務を経て、2014年株式会社アプレ不動産鑑定を設立し、現職。

 相続税申告時の不動産評価など税務鑑定を専門とし、適正な評価額の実現を掲げ、相続人と共に「戦う不動産鑑定士」として活動する。また、実務で培った経験をもとに、「相続と不動産」について税理士、弁護士、不動産事業者など相続の実務家を相手とした講演活動も行っている。

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