- 相続土地 評価研究TOP
- 相続対策
- 1.相続対策の基本②
1.相続対策の基本②
1-2.相続対策のメリット①
〇納税者のメリット
相続対策をすることで、上記①分割、②納税、③節税、④承継分野についてメリットを享受することができますが、それ以外にも下記のようなメリットがあります。
・相続に対する不安の軽減
多くの方にとって相続は未知の領域です。適切な相続対策によって目に見える形にすることで漠然とした将来への不安を軽減することができます。一方で、相続発生後のことを検討するなんて縁起が悪い、という意見も多く聞こえます。対策の入り口は家族ごとに工夫する必要があります。
・資産の円滑な承継
現所有者にとっては、代々受け継いだ資産を自分の目の黒いうちに下の世代へ承継させることができます。完全に移行させる必要はなく、管理などの実務を経験させることで、相続発生後も無事に資産を守れるかという不安を軽減させることができます。
一方、受け継ぐ側も親に学びながら資産管理の方法を習得することができます。対策をしない場合、相続人は資産の全容を把握することから手を付けねばならず、日常の管理からいざという時に誰を頼ればいいのかまで手探りを余儀なくされます。
・悪徳業者による損失の回避
巷には怪しげな「節税商品」を取り扱う業者が多数存在します。商品自体は詐欺まがいのものから効果はあるが費用対効果が悪いものまで多岐にわたりますが、専門家ではない限り良し悪しを見極めることは困難です。また、そのような商材を取り扱う営業職はセールス能力が高く、気が付けば効果の低い節税対策をいくつも導入していることも珍しくありません。
また、円滑な承継ができなかった相続人は、受け継いだ資産について無防備であるため、悪意をもった業者に騙されることもあります。
長年の取引関係があり信頼できる専門家と共に相続対策を手掛けることで、そのような事態を未然に防ぐことができます。
注記:執筆時点の税制等に基づきます。
また、本記事の内容は萩原岳不動産鑑定士による研修「鑑定評価を使った相続対策」のテキストを抜粋して掲載しております。本研修は口頭及びホワイトボード等を用いた追記情報が多数ございます。