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- 1.相続対策の基本③
1.相続対策の基本③
1-2.相続対策のメリット②
〇税理士のメリット
相続対策のメリットを享受するのは納税者だけではありません。対策を提案する税理士にも以下のようなメリットがあります。
・能動的な受注
相続税の申告業務は「待ち」の業務です。いつ発生するかがわからないため後手に回りがちですし、通常業務の繁忙期と重複してしまうと蜂の巣をつついたような状況になってしまいます。下手をしたら、あまりの忙しさに致命的なミスが生じてしまう可能性もあります。一方、相続対策はこちら側から提案することができるため、スケジュールが管理しやすく、自分たちのペースで作業を進めていくことができます。また、いざ相続が発生した場合も既に準備ができているため、迅速に対応することができます。
・リスク(否認・争族等)の低下
相続発生後に、土地評価等を工夫することにより評価額を低く抑え、節税することができます。しかしながら、財産評価基本通達とにらみ合い、税務署と交渉しながら時に解釈の分かれるようなグレーゾーンにある評価をすることもあり、常に否認リスクと隣り合わせです。一方で、相続対策であれば否認リスクが著しく低い対策によって税額を劇的に削減することができます。
また、事前に家族間の関係を把握することで、相続争いを未然に防げる可能性があり、仮に争いが勃発したとしても迅速に対応をとることができます。
・「更正屋」対策
更正屋とは、ここでは①専ら他社の申告書を見直し、成功報酬を受け取る、②顧問先をもたず、当初申告を行わない、③税務調査には立ち会わないを定義とします。彼らはの主体は税理士であり、資産税に精通しているうえ、不動産鑑定士や弁護士と密接に関連しているほか、金融機関や司法書士、土地家屋調査士、不動産業者と連携しています。更正請求自体は納税者の正当な権利ですが、昨今は敵対的ともいえる更正請求が問題となっています。
相続対策により円満な分割協議を終え、相続税額を削減することができれば、営業力の強い彼らの網から外れることができます。
注記:執筆時点の税制等に基づきます。
また、本記事の内容は萩原岳不動産鑑定士による研修「鑑定評価を使った相続対策」のテキストを抜粋して掲載しております。本研修は口頭及びホワイトボード等を用いた追記情報が多数ございます。