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1.相続対策の基本⑤
〇行動原則
・承継対策が最重要
3つの対策を効果的にするためには対策間のバランスを図らなければいけません。そこで重要なのが「承継」の観点です。我が家は均分相続でいいのか、守るべきは「その土地」かそれとも金額で明示される「資産」か、子どもたちは農作業を継げるのかはたまたアパート経営を継げるのか、など承継を主軸にすることで複数選択肢が乱立する場合でも迷いなく決断することができます。例えば、駐車場にアパートを新しく建築したほうがいいのか、それとも古いアパートに資金を投じてバリューアップさせたほうがいいのか、という選択肢ではどちらが推定相続人にとって守りやすいのかを念頭において実行するべきであり、「本に書いてあるから」や「セミナーで聞いたから」という理由で選ぶべきではありません。
・まずは情報整理
相続対策を行うにあたっては、個別の案について場当たり的に飛びつくのではなく、まずは財産の全体像を把握することが重要です。情報を収集し、整理することで無数の選択肢から我が家にとって適切な方針が絞られます。また同時に、不要な対策を提案もしくはセールスされた場合でも、誘惑されることなく断ることができます。
・安い・早い・簡単
情報を整理し、いざ対策に着手する場合、まずは費用が低く、必要な期間が短く、簡単な案から手を付けましょう。いきなり借金をして高額な費用をかけるのではなく、まずは失敗しても挽回可能な範囲から始めるのです。簡単なものから徐々に経験を積み、判断能力が備わってから難しいものにしていきます。
一方、悪意のある業者側からすると、「経験の浅い素人」に「高額」で「難解」な商品を売りつけることが最も簡単に大金を稼ぐ手段です。我々は、悪意のある業者が最も嫌がる消費者になる必要があります。
注記:執筆時点の税制等に基づきます。
また、本記事の内容は萩原岳不動産鑑定士による研修「鑑定評価を使った相続対策」のテキストを抜粋して掲載しております。本研修は口頭及びホワイトボード等を用いた追記情報が多数ございます。