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2.財産診断
相続対策の第一歩は財産診断です。スタートを明確にすることで、ゴールのレベルに見当をつけることができ、適切なロードマップの作成が可能となります。
2-1.現状把握
現状を把握するため、相続関係図を作成しましょう。長男や長女などの表面的な情報だけではなく、生年月日、親子関係及び兄弟間駅や親戚との関係など、血の通った関係性を記入していきます。その際、推定相続人だけではなく、キーマンとなりそうな親戚や付き合いのある専門家等の情報も記入していきます。また、不動産収入だけで生活しているのか、それとも兼業大家なのかなど、世帯の収入源も確認します。
長年の付き合いがある場合は、歴代担当者からヒアリングし、情報の共有化を図りましょう。
2-2.財産目録
財産目録を作成します。不動産、現預金、株式や保険など漏れがないようピックアップします。
不動産についていえば、土地では所在地番及び住居表示、面積、固定資産税地目、登記地目、現況地目、固定資産税評価額、相続税路線価、容積率、用途地域、担保の有無、持分、道路条件等を、建物では、所在地番及び住居表示・家屋番号、建物名、構造、固定資産税評価額、床面積、取得年月日、持分、利用方法等を調べます。
収集する資料は法務局資料(登記簿謄本、公図、法務局備付地積測量図・建物図面)、役所調査資料(都市計画図、道路台帳、建築計画概要書等)、測量図、住宅地図、固定資産税課税明細、現地写真、路線価図、全物件所在図等のほか、貸家の場合は賃貸借契約書、レントロール(収支一覧表)、管理委託契約書等費用関係書類、修繕記録等です。
また、できれば役所調査(都市計画法、建築基準法、埋蔵文化財、土壌汚染等)や現地調査(境界、利用現況、周辺環境、需給環境、競争力)も行いましょう。
2-3.財産診断
〇リスト作成
〇診断項目①:相続税評価額と実勢価格のギャップ
乖離が生じやすい不動産は、(+)商業地、業務用不動産、マンション適地、需要の高い区分所有建物及びその敷地等、(-)底地、借地権、山林、無道路地、不整形地、建築不可物件、高低差の著しい土地、大規模画地、別荘、郊外立地等が挙げられます。
〇診断項目②:NOI(キャッシュフロー)
NOIとは運営収益から運営費用を引いた運営純収益を指し、鑑定評価において重視される数値です。
注記:執筆時点の税制等に基づきます。
また、本記事の内容は萩原岳不動産鑑定士による研修「鑑定評価を使った相続対策」のテキストを抜粋して掲載しております。本研修は口頭及びホワイトボード等を用いた追記情報が多数ございます。